よくある質問(FAQ)
熱電対・補償導線
熱電対を端子等で接続する場合の誤差は?
一般的なプロセスでの計装では、熱電対の端末をJ.BOX等に集めて汎用の端子台を用いて補償導線へつなぎ代えることが多い。異種金属接続となるがその誤差は?
一般的な計測手法では、コスト低減のために熱電対で温度を計測し、離れた箇所にある計 測器までは補償導線で延長する。安価な卑金属熱電対(K,E,J,T)であっても、熱電対線と補償導線の価格を比較すると差が出るため、補償導線が使用される。
その際、熱電対と補償導線を端子箱で接続するが、市販の標準的な端子盤を用いて接続することが多い。補償導線は熱電対とほぼ同等の熱起電力特性を持った導線であるが、端子板に用いる金属板は銅合金がほとんどで、+側・-側どちらも同一金属種である。そのため、異種金属が熱電対回路に混在することとなり、 誤差の発生を懸念されることがある。
厳密には、熱電対回路に異種金属が介在し、その両端に温度差が生ずると誤差が生じることとなる。従って、端子部の熱電対接続側と補償導線接続側の10数mm程度の間に温度差が生じなければ誤差はないと言える。通常の使用方法では両者の距離で温度差が大きく出るような使用方法は考えにくく、端子部の温度は均一であるとの前提で使用されている。
但し、設置環境が相当厳しく、常に端子部の温度が高かったり、温度変化が激しいと予測されるような箇所では接続部分に温度差が生じるおそれもある。その際には端子板や、熱電対端末の圧着端子を含めて熱電対と同一材質で製作して対応することがある。