よくある質問(FAQ)
熱電対・補償導線
熱電対(補償導線)の極性を間違えて配線した場合は?
熱電対・補償導線のカラーコードは各国の規格により大幅に異なり、配線作業時に極性を間 違えることがある。その場合の温度指示は?
熱電対と補償導線の接続部は、熱電対付属の端子箱や接続箱(ジャンクションボックス) であり、接続部は大気温度となるケースが多い。従って、端子箱等から受信計器の端子までを極性を間違えて接続した場合は、端子箱部分の温度と受信計器端子 の温度の差が誤差に影響する。もし、両者の温度差がなければ誤差は生じないが、夏や冬では温度差が極めて大きくなるため10℃以上の誤差も生じうる。
極端な例として、夏期に端子箱部分が40℃に達し、受信計器部分は20℃であったとすると、熱電対種類がEの場合、本来の極性通りであれば40℃での熱 起電力2420μVと20℃での熱起電力1192μVの差である1228μVの熱起電力を発生する。ところが、極性を間違えると全く逆の負の熱起電力とな るため、その部分で-1228μVの熱起電力となるため、本来の熱起電力から-2456μVの熱起電力となる。この値は測定温度500℃程度の温度で換算すると、-30℃低い指示となる。
また、端子箱部分のみ極性を間違え、受信計側が正しい場合は、熱電対が逆に接続されたこととなるため、さらに大きな誤差となる。同様に受信計側のみ間違 えた場合は補償導線を含めて熱電対が逆に接続されたこととなり、より大きな誤差となる。